「なんだ、瀬璃って勘よかったっけ?」
クスッと笑って恥ずかしそうに目を背ける。
可愛いと思ったその瞬間、私は地雷を踏んだ。
それも自らの過ちによる出来事で。
「俺もバカだよな。自分から出てくなんて、あげく瀬璃まで巻き添えだ」
その言葉に、その声に、震えた。
もう死んじゃうんじゃないかってくらい苦しくなる。
遠まわしに”爽香ちゃんが好きだ”と聞いたのと同じ。
「いいよ、別に」
知っていたのにもかかわらず全てが崩れてしまいそうな衝撃の後なのに。
私は思った以上に冷静だった。
そんな自分が少し恐い、そう思った。


