重たいドアを開ける。
屋上のドアはかなり古びていてとても重い。
でもきっとそれだけじゃなくて、爽香ちゃんに会うのが億劫だったんだと思う。
「ごめんね、遅れて」
「いいよー、ほらっはやく来なよっ」
屋上に足を踏み入れると2人は既に座っていた。
遅れたにも関わらず私たちに優しい笑顔を見せる爽香ちゃん。
それなのに会うのが億劫と感じてしまう私が嫌で嫌で仕方が無かった。
「うわぁ、すごいねっ」
お弁当を持って地べたに座ろうとした瞬間、爽香ちゃんの目の前にあるラブリーな弁当箱に目を奪われる。
手の凝った料理がコンパクトにまとめてあって、今日はパンにしとけば良かったなと心底思ってしまった。


