「その前に質問してもよろしいでしょうか」


 ゾック・ピエールに名乗るよう促された新たな同士が、右手を真上にピーンと伸ばした。


『どうした、自分の名前を忘れたか? 新たな同士よ』


「……ちげえよ」


 新たな同士は右手を下ろしてゾックに向かって走り出し、そのままの勢いで飛び上がって、ゾックの顔面にドロップキックした。


「その前にこのわけわからん状況を説明しろやー!!」


「ゲヴォァ★ピェー」


「キャピキャピしてんじゃねえぞゴラァ!!」


「キャピキャピなんかしてた!?」


 ゾックはドロップキックされた勢いで吹っ飛んだ拡声器を慌てて拾った。


『一度落ち着くんだ、新たな同士よ』


「拡声器いらねえだろ!!」


スカーン! 新たな同士のキックが正確に拡声器を捉え、またしても吹っ飛んだ。


「アァ、ピエールくんスペシャル!」


 ゾックは両手を前に出して、落ち着くよう新たな同士に促した。


「わ、わかった。何が聞きたい、新たな同士よ」


「全部だ全部!! あんたは誰なんだとか!!」


「私は我が軍団の首領、ゾック・ピエールだ」


「ここはどこなんだとか!!」


「他に何もない荒野だ」


「なんで俺がこんな格好してるんだとか!!」


「君が我が軍の新たな同士だからだ」


「そもそも我が軍団ってなんだとか!!」


「我が軍団とは、私が作った軍団『ショックー』だ」


「うるせええぇぇ」


「ゲヴォア★理不尽! ピェー」


 新たな同士の右ストレートが綺麗にゾックの左頬を捉えた。


「ぜ、全部答えたではないか」


「全部答えになってねえんだよ!!」


 興奮気味に怒鳴り散らしていた新たな同士は、このままじゃ埒が明かないので、一度落ち着くことにした。


「ハァハァ……で、『ショックー』ってのは一体何だ?」