初めて会った尚人に、
もう安心や信頼を覚えていた
この人なら大丈夫だろう
だけど、どこかではやっぱり
あの時のトラウマが残っていて
いつか裏切られる
いつか捨てられる
そんな心配もしていた
『沙衣、辛いこと話してくれてありがと。
思い出させてごめんな?
でも俺、沙衣が話してくれて嬉しいよ。』
心があったかくなるのを感じた
尚人は大きな愛情と優しさで
あたしの不安や悲しみを包み込んでくれた
『なんで尚人には、こんな話できちゃうんだろうね』
泣きながら笑ってそう言うと
『俺のこと信じてくれてありがとな。』
尚人はまた微笑んで頭を撫でてくれた
