「バレンタインだよ、今日は」 壱はどうやら勉強する気が全くないらしい。 「だから?」 できるだけ、手短に返事をする。 「健気だね、雄太は意外と」 「なんで?」 「未来ちゃんに会いたくて、来なくてもいい学校にわざわざ来てる辺り、かな?」 「…………。」 黙ったのは、図星だからじゃない。 勉強の邪魔だったから。 本当に、図星だからじゃないから。 「今日は、バレンタインだしね。」 オレをそっちのけで、どんどん話を続ける壱は、空気を読む気は全くないらしい。