僕らの赤い糸は最初から



俺が教室に戻ってきた後、

少しして二人が戻ってきた。

渡草はいつもの笑顔で、

恭哉はポーカーフェイスで、

あの時の二人の姿が嘘のようだった。


「あっれー??
 遥、全然進んでないじゃん!!
 さては、サボってたなぁ-♪」


突っかかってくるのもいつもの事で、

でも、

今日はそれがなんだか違って見えてしまう。


「…俺、重症かも…。」

「え??
 なにが??どっか悪いの??」


心配そうにのぞきこむ渡草。

自分だって、
さっきまで泣いてたくせに、

今は俺の心配をする。

あぁ、ダメだ。

俺はお前のそうゆう所が…、


「ねぇ、大丈夫??」

「おい、どうした、遥??」


恭哉の問いかけにハッとなる。

…俺は今、何を考えた??

自分の考えた事に驚きを隠せない。


「…あ、悪ぃ。
 な、何ともねぇよ。」


あわてて表情をつくろったが、

心臓の鼓動は速いままだ。


「おい、顔色悪いぞ??
 一回休んでこいよ。」

「…あ、あぁ…。
 ちょっと、休憩してくる…。」


俺は教室を出るとため息をついた。

なんだ、こんな感情知らない。

渡草が恭哉に頼ったというだけで、

こんなに苦しいもんなのか。

あの二人の関係が羨ましい。

それだけ、それだけのはずだ。

なのに…


「…っ。
 んだよ、コレ…。」


あぁ、ワケが分からない。