僕らの赤い糸は最初から




「ロミオっ!!
 …ってあぁ、違う…。」


あたしは一人で練習をしていた。

皆に迷惑をかけたくない。

人一倍人の気持ちが分かってしまう分、

辛い思いもたくさんしてきた。

信じていた人に裏切られることなんか
多々あった。

そんな時、大丈夫って乗り切ったんだ。


今回だって…、


そう思っていた。

なのに、皆は優しすぎる。

疲れているのは分かった、けど、

みんなそれをあたしのせいだって
思ってない。


「…やらなきゃ…。」


もっとうまく、皆のために。


「おぉ、やっぱりやってるね。」


突然の声にふりむく。

苦笑しながらも、優しそうな顔。


「絵里はいっつも一人でやろうとする。
 一人でやっても仕方ないだろ??」


恭ちゃんは隣に座ると台本をめくった。

どうして…、


「…絵里…?」


どうして、分からない。

ちょっと寂しかっただけ。

なのに、なのに、


『涙が止まらない。』


「…俺は知ってるから。
 絵里が辛くなってるのも、
 一人で頑張ってるのも。
 …大丈夫、俺がいるから。
 泣いてもいい…。」

不器用だけど温かい、

あたしが自分の感情に疎い分、

恭ちゃんはいつも感じ取ってくれて…。

それがすごく安心した。


あぁ、あたし一人じゃないんだ…。