『ていうか…何でそんな…嫌だ』 「……一番の理由は、俺が転勤になったからだけどな」 『………え?転勤?』 「そ。何か北海道まで行かなきゃならん」 『そんな……じゃあ、あたしも!』 「馬鹿。お前はここにいろ。頑張って勉強して高校受かったわけなんだし。ちゃんと行け」 そう言って兄は、大きな手であたしの頭を撫でた。 そうなんだ…… あたし、優衛と離れるんだ……