『ええぇえぇええぇぇえ?!』 あたしの大きな声に、兄は耳を押さえた。 まぁまぁ、とあたしを落ち着けようとする兄の手を振り払って兄の肩を掴んだ。 『何で?そんないきなり無理だよっ!』 「あいつは大丈夫だ!頼りになるぞ!」 『"あいつ"とか言われても知らないよ!』 「咲樹だよ。葵咲樹(あおいさき)」 え………? 『女の人……?』 あたしの言葉に、兄は眉を潜めた。