一週間前―――… 「結奈(ゆうな)ー!!ちょっと話がある」 『え?あたし今本読んでるから……』 「ゆーうーなーー!!」 『………はいはーい』 玄関から大声で叫ぶ人の元へ足を向けた。 『何?優衛(ゆえ)』 「兄と呼べ、兄と!!」 持っていた薄い冊子で頭を叩かれる。 叩かれた頭を押さえて、あたしより遥かに背の高い兄を見上げた。 「お前、俺の知り合いんとこに来週から住め」