冬の寒さも少しは和らぐ午後、神社に少女メイがやってきた。
「猫ちゃんいるー?」
きょろきょろと辺りを見回しすっかり友達になった黒猫を探す少女の姿に、神社の主であるキツネはいつもとは違う様子を見て取った。
(これはなにかあったね)
「呼びましたかー」
神社わきの草むらから猫が飛び出す。
「ちょっくら狩りってました。ただいまー」
「猫ちゃん、今日はマジ相談があるの!」
少女は猫の姿を見てほっとした表情になったが、すぐにかわいらしく眉をひそめ、いかにも困っているといいたげに話し始めた。