「いらっしゃいませ、どうぞメニューです」


失礼ではあるがあまり綺麗とは言えない格好のスノーマン。

店の雰囲気とも、オシャレな大通りの雰囲気ともそぐわない。


……どんな人なんだろう。


品定めならぬ客定め。

見極めたところで追い出すことはしないから、結局興味本位ということだけど。


スノーマンは私が差し出したメニューを

「ありがと!」

と、礼を述べてから受け取った。



柔和な顔立ちに澄んだ瞳。

無精ヒゲと茶色い頭に乗った雪は気になるけど……

……悪い人ではない気がする。