何着もの洋服を腕にかけたお母さんは、ブツブツ文句を言いながら、あたしの部屋を出ていく。ひとりになってホッとしたあたしは、テレビから目を離した。

机の上に置きっぱなしの封筒。一昨日、家に帰ったら、受験した私立の高校からこれが届いていた。結果は合格。

「……」

真由美は受かったのかな?
私立も公立も、一緒のところと決めていたあたしたち。

手元にある携帯電話のメール画面を開き、送信欄を見た。一昨日から何度も見ているメール。

『久しぶり。さっき私立の結果が届いたんだけど、真由美にもきた?』

ケンカには触れず、何もなかったかのように書いたメールの文章。結局、書いただけで送りはしなかったんだけど。