あと3日で卒業式。日曜の今日は、朝から親と出かけてた。

「ちょっと地味かしら。亜矢、どっちがいい?」

家に帰って、すぐにクローゼットの扉を開けたお母さん。

主役はあたしなのに、まるでファッションショーにでも出るかのような洋服選び。

てか、こんなにも紺色の服を持っているだなんて知らなかった。

「亜矢、勉強は?」

無視したら、手のひらを返してしかめっ面。ほんと調子がいいんだから。

「後でやる。今、これ見てんの」

「またMonster?」

「またって……これは録画したまま、ずっと見れてなかったやつなの!」

「んなことばっかり。私立に受かったからって気を抜くん……」

「わあかったってば! やるから、ちょっと黙っててよ! 全然、聞こえないじゃん!」