そう、水玉ウサギのグッズは持ってる子が少ないから、あたしたちはよく「これをふたりで集めよう」と言ってた。
「……」
一緒にいたときを思い出して、自然と、目が窓際に向く。
「ケンカの原因は何なの?」
ぼんやりするあたしに、声をかけてきたのは手塚さん。
「え?」
「……また見てたから」
彼女は、和田さんたちの耳には聞こえないよう、声を小さくした。
「……」
知ってるんだ、あたしがたまに真由美を見てること。
「んー、もう忘れちゃった」
笑って、ごまかす。言っても共感なんてしてくれないと思うから。
言葉にするのは恥ずかしい。友達をとられた、とか言いたくないし。
同じようにムカついてくれないのなら、言わないほうがましだと思うんだ。