何度も何度も叩いた。何度、ベッドを叩いても、この胸の苛立ちは全く消えなくて。

「う……っあぁ……」

悔しくて、悔しくて。

何もわかっていない真由美に、腹がたって。

ぼやけてく視界。こらえていた涙が、ポロポロと溢れる。


“ケンカでもしたの?”

昼休みに訊かれた言葉。


あのとき、何も言えなかった。

この気持ちを誰かに聞いてもらいたいのに、理由を話したら、くだらないと思われる気がして。

私のMDを勝手に貸したとか。結衣ちゃんに真由美をとられたとか。そんなの、言えないよ。

「キライ……大キライ」

もういい。

真由美なんて、もう知らない。