文句を言った日の夜、夢を見た。出てきたのは、一緒に行動し始めた頃のあたしたち。


“おはよう、亜矢ちゃん”

“あ、おはよう!”

いつかの朝を再現したものだった。


まだ早いかなぁ?

“ねぇ亜矢ちゃん、明後日の日曜日って何してる? 暇だったら遊ばない?”

“うん、遊ぼう! 日曜は何もないと思うし”

嫌そうな表情をされるかもしれないけど。

“じゃあさ……真由美、あたしの家へ遊びにおいでよ”

ふたりでいることは当たり前になった。でも、まだ出会って間もないから、どのタイミングで呼び捨てにすればいいのか。

“……うん”

初めて「ちゃん無し」で呼ばれた真由美は、数回まばたきをして、たどたどしく頷いた。