ひと言も喋らないあたしを無視して、ふたりは勝手に盛り上がってる。

耐えられなかった。
黙って、られなかった。


「仲直りしないの?」


結衣ちゃんの顔をきつく睨む。これまでの苛立ちを、ぜんぶこの目に込めた。

ぴたりと止まった、ふたりの笑い声。

充血してるのかもしれない。目が熱いよ。

「……トイレ行ってくる」

鼻先がジンとして、自分が泣き出しそうになっていることに気づいたあたしは、顔を伏せて立ち上がる。

「亜矢っ」

教室を出るとき、真由美が名前を呼んできたけど、あたしは振り返らない。

「……」

高校まで一緒とかありえない。ずっとこんな思いをしなきゃいけないとか、耐えられない。