「……MDに録音してるから、月曜日、持ってくるよ」
どんなにムカついても、真由美のことはキライになれない。だって、嬉しいんだもん。
「ありがとう! さすが亜矢!」
こんなふうに笑い合えると、すごく嬉しいの。
次の日、家にいるあたしは1階のリビングで、録画した歌番組をぼうっと眺めていた。
「勉強はぁ!?」
今朝、今日はどこにも出かけないと告げたとき、珍しいと言いながらも喜んでいたお母さんは、もう、いつもしかめっ面に戻った。
「……後でやる」
「後で、っていつ!?」
「……これが終わったら」
一度、最後まで見終わってる番組だから、かぶりついて見てるわけじゃないけれど、すぐに勉強する気にもなれないから、真剣なフリ。
「そんなことばっかりして……公立落ちたって知らないからね! 私立に受かっても、うちにはそんなお金ないんだから!」
「ちゃんとやるって!」



