「おはよう、亜矢ちゃん!」

「あー、おはよう!」

重い足取りで到着した、学校。

下駄箱の前で靴を履き替えていたら、2年のとき同じクラスだった女の子に声をかけられた。その子に笑顔で挨拶をした後、あたしは小さくため息をつく。

奇跡とも思えた、お揃いのストラップ。真由美にとっては、そこまで特別なものではなかったみたい。

「……」

帰りたいな。

いま来たばかりなのに、もう家に戻りたいと思ってしまう。


「亜矢、おはよう!」

「おはよう、亜矢ちゃん」

教室に入ったら、すでにふたりは一緒にいた。

「……おはよう」

中に入っていくのがイヤで、カバンを置いた後、そのままイスに腰掛けた。けれど、ふたりは話をしながら、あたしの席まで来る。