「今日ってMonsterの特集だったよね?」
結衣ちゃんはまた割り込んでくる。
「うん! あたしたち、Monsterのファンなの」
言わなくていいよ、真由美。お願い、言わないで。
「そうなの? あたし、Monsterなら裕也が好きだなぁ」
「……」
ファンじゃないなら入らないでよ。
「あ、結衣ちゃんも裕也ファン?」
違うよ、真由美。聞いてなかったの? 結衣ちゃんは「Monsterなら」って言ってるの。あたしたちほど好きでもないはずだよ。
「うん! 可愛いし好き!」
ファンでもないくせに、なんで入ってきてんの?
「一緒だぁ! 亜矢は恵介のファンなの。ね、亜矢!」
いちいち教えないで、あたしのことまで。
気に入らなかった、会話のひとつひとつに入ろうとする結衣ちゃんが。
「先、行ってて。……あたし、トイレに寄りたいから」
そうなんだ? と笑いかけてくる彼女を無視して、真由美だけに言った。



