「ほんとごめんね」

「ううん、気にしないで。大勢のほうが楽しいし! ね、亜矢」

「あ……うん。気にしなくていいよ」

ひとつの机に、3つのお弁当箱。腕を置くスペース、今日はない。

なんであたしたちにしたんだろう。そんな気持ちが頭の中をグルグル回る。

お昼休みは他の休憩よりも時間があって、ゆっくり話すことができる。だから毎日、楽しみにしてるの。なのに、今日はふたりじゃない。

「ありがとうね。ふたりがいてくれてよかった」

あたしたちの間に入って、嬉しそうに微笑むのは結衣ちゃん。まだあの子たちとケンカ中みたいで、さっき、いきなり「一緒に食べてくれない?」と言ってきた。

突然の申し出に困ったあたしは、返事をする前に真由美の顔を見た。けれど、真由美はあたしの顔を見ることなく、すんなり彼女を受け入れたの。

まぁ、断れることじゃないし、仕方ないなとは思うけど、なんか面白くない。

「あー! もう、お母さんったら。入れないでって言ったのに……」

「何してんの、当たり前のように!」

でも、まぁ、ずっとってわけじゃないだろうし、少しの間なら気分転換にいいかもね。