「‥‥着替えなきゃ」 ボーッとしていたら、知らないうちに時間が経っていた。 いまから準備しないと間に合わない。 クローゼットから服を適当に出して、メイクも適当にする。 いつもはドライヤーをするけれど、とてもそんな気分にはなれない。 どうせメイクさんが後でやってくれるもん。 「‥‥よし」 全身を鏡でチェックして鞄を持つ。 そろそろ鈴木さんが迎えに来る時間。 「行ってきます」 まだ寝ているお母さんたちを起こさないようにそっと家を出た。