玄関を通され
俺はリビングに案内された。


『太一~!降りてきなさ~い』

おばさんが2階に向かって叫んだ。


ドタドタドタと
2階から男の子が降りてきた。


『あ。初めまして。中野太一です。』


太一くんは
中学3年生にしては落ち着いた印象だった。


『石田直樹です。ひと夏よろしく』

俺はにっこり微笑んだ。


『小春は今部活なんよ。
太一、直樹くん部屋に案内してあげて』


太一くんはコクりと頷いた。

俺は太一くんについて
2階に向かった。


空き部屋に通され
俺はかばんを置いた。


『俺は隣の部屋にいるんで』

太一くんは一礼して出て行った。