それから数日―…


俺は意図的に
小春ちゃんと距離をおいた。


小春ちゃんが
気付かない程度に


でも心の中には
確実に壁を作った。



俺は小春ちゃんを
好きなのか分からない。


でも―…

小春ちゃんの
人懐っこい笑顔が


いつの間にか
俺の中に居場所を作った。


これ以上
許してはいけない。


それだけは分かる。



『好きじゃないなら
冷たくしてください。』


マキくんの台詞が
胸に刺さったまま

抜けない…。



どっちにしろ
小春ちゃんとは
すぐに離れなきゃいけない。


来年は
小春ちゃんも受験だし…


俺だってまだ学生だ。



離れたら、終わりだ。


どうしようもない。


だから、
これ以上小春ちゃんを
心には入れない。


入れちゃいけない。


何度も繰り返し
言い聞かせた。






そう思っていたのに―…