あたしの執事


私達は観覧車へと向かう……。


「二名様ですね?」


そう言って、観覧車の小さな一部分のドアを開ける。


「一名様ずつゆっくり乗ってください」



私はゆっくり観覧車に入った。



「すげえ綺麗だろっ!?」


ガラスの外を見る凌ちゃん。


「うん♪」



どこまでも続く海が見えるくらい上に行ったとき……


「なあ……ココロ……?お前……何かあった?」
「へっ!?」


何もないようにしていたはずが……凌ちゃんにはバレてた……?
私は何も言わずに、外の景色を見る。



「……ん何もねえならいいけど……」


そっから観覧車の中では会話がなかった。



観覧車から出てからも凌ちゃんはずっと無言……。



嘘って分かってるなら……何か言ってよ……。
好きじゃないのに……なんでこんなに悲しいの…?


私は無言の凌ちゃんの後を間隔を開けて、着いていく……。