あたしの執事


「ねぇ……凌ちゃん!」
「あ?」
「ありがとうね!」



私は、遊園地の方向に歩き出す。


「おう!!」



太陽が上がって周りが明るくなる。
私の歩く速さに合わせてくれる凌ちゃん。長い道のりを歩いていく。

しだいに歩く人も増えてきて、この場所は、学校に通う子や、仕事場に行くお父さんたちでいっぱいになっていった。


「着いた」


遊園地を指差す凌ちゃん。


凌ちゃんが指差す方向を見ると、大きな観覧車が顔を出していた……。
凌ちゃんはいち早く、入場券を買いに行き、私は凌ちゃんのあとを追って入場券を凌ちゃんから受け取った。



そしてゆっくり歩き始める。
周りには、カップルが凄く多かった。



平日というのもあって、家族連れは少ない……というか、いないって言ってもいいほど。