あたしの執事



もしかして……もしかしてさ?



今のってキス!?


ビックリした私の涙はいつの間にか止まっていた。


だって……あまりにも強引だったから……。


頭の中でキスシーンがリプレイされる。



私の手を強く引いて、唇を重ねた。



凄く強引だったのに……キスは凄く優しかった……。



私のファーストキス。
私のファーストキスを奪ったのは……やっぱり大輔だった。



「そんな赤くしないで……俺で照れる……」
「だって……」


だって嬉しいんだもん。



「だって……何?」


あ……出た。大輔お得意のいたずらっ子のような笑顔。


そんな笑顔見せないで……ドキドキが半端ないよ……。


大輔は再び私を抱きしめ、目を瞑った。私もそれにつられて………ゆっくり目を閉じた。



触れる唇同士。



私……大好きな人とキスしてるんだ……。



「はいっおしまい……またこの俺とはバイバイだな?」
「執事の大輔も……嫌いじゃ……ない……よ?」
「俺も。わがままなお嬢様のココロも、普通の女の子のココロも……凄く好きだから」


頭数を引き付け、次はおでこに優しいキス。


「こんな短時間にキス三回なんてお嫌いですか?」
「……嫌いじゃありません……」


赤面した大輔と私の顔。
お互いの顔が見れないくらい、赤くなっているのに分かった。



「じゃあ教室に戻りますよ?」
「うんっ!!」


私達は静かな廊下を二人で歩いて教室に向かった。



―・―・―・―・―・―・―・―・


「東條愛莉です。よろしくね?」


分かったよ……。こんな風に来るって……。だって転校生って早く友達を作ろうと必死で休み時間中に女の子や男の子に話かけるじゃん……。もう……私の順番か……。


「ココロです」
「ココロちゃんね……あ……やっぱりさ、ココロでもいい?そっちの方が呼びやすいし♪」


はあ~?
まじこの転校生あり得ない……。
馴れ馴れしすぎ。


「ねえ?いいかな?」
「うん……」



私は仕方なくOKを出した。