「凌ちゃん……ごめん……」


私は、小さい時の大好きだった人に告られた。嬉しかった……。
だけど……大輔さんと出会ってしまって……今私の頭の中は、大輔さんでいっぱいになっていった……。




「そっか……何かごめんな?」
「ううん……?」
「早く車入れって!執事が待ってんぞ」



強がりな凌ちゃん……。
でも……目に涙が溜まっていた。
その涙は、ゆっくり凌ちゃんと頬をつたって、地面に落ちた。



「早く行けって!イケメンが泣くところ、見るなら金取るぞ?」
「ばっか……」
「元気でいろよ?」



さっきまでの涙は、嘘かのように、満面の笑顔で送り出してくれる凌ちゃん……。



「じゃあね……」
私は車に乗り、窓を開け凌ちゃんに手を振る。



凌ちゃんは私が乗った車が見えなくなるまで両手で大きく手を振ってくれた。



「お別れはできましたか?」
「お別れじゃないよ」
「え?」



少しの間だけだもん……すぐに会える……お別れなんかじゃない……少しの間……お互いが成長できるようになるための時間。


今度会った時、きっと私も凌ちゃんも成長してる。