七瀬が去った後、俺はしばらく動けなかった。 月が、高々と空に登った頃。 部活を終えた連中の足音が聞こえ、やっと視聴覚室から出た。 7時を回っていた。 雪は、月の力も借りて、いつもより明るい世界を作っていた。 結構、積もっていて。 こんな雪の中、ボロボロの体で七瀬は帰ったのかと思うと、消えてしまいたくなった。 夢を見た。 暗闇の中、七瀬が俺の目の前で泣きじゃくっている夢を。