1月。空は曇天。 生物の教科書を廊下に並ぶロッカーに取りに来た俺は、フッと外を眺めた。 ─これじゃ今日も雪溶けねぇな…。 「なーに黄昏てんだよっ」 「うわっ!」 ガシッと首に腕が回された。一瞬ギョッとする。 「よっ、村上っ」 俺の首に手を回したヤツは俺を覗き込み、片手をシュっと挙げた。