「どうした?」

「可愛いあの子」

桃が、指さす所には結構でかい熊のぬいぐるみ。

いわいる、テディベアというやつだ。

「欲しいの?」

「お願いです!!先輩、お金は払いますから取って下さい」

「じゃあ、後でお礼貰うからな」

「はい」

何のことか分かってない桃。

一発で取れた俺。

自分でもすごいと思う・・・

「はい、取れた」

「すご~い!!」

大袈裟に驚く桃。

「大袈裟過ぎ」

とか言いつつも、頬が緩む。

「じゃあ、お礼」

「何をあげればいい?」

「キス」

「え・・・?」

ゆっくりと、桃に顔を近付ける。

ぎゅっと、不安そうに瞑った目。

キュン☆

何だこれ・・・?

桃が、とてつもなく可愛く思えてぎゅっと閉じた目蓋にキスした。

そして、ぎゅっと抱きしめる。