「ってか、「氷の王子様」って、何!?」

「えぇ!!」

「さっきから、声に出してるし」

「マジですか!?」

「ほら、今も」

「あ、本当だ」




〔雫〕
こいつ、ばかだろ。

心底そう思う。

俺は、神谷雫(かみやしずく)。

高校一年生。

自分で言うのもなんだけど、女にモテる。

けど、俺は女が大嫌い。

うっとうしいし、香水臭いし、何より目障り。

でも、今日はじめて喋った同じクラスのこの女は俺を騒がない。

「なぁ、何で今とこんなに違う訳?」

「イメチェンです」

「何したの?」

「みつあみ解いて、めがねをコンタクトにして化粧を・・・少しした」

「そんだけで?」

「うん」

「元が、よかったのか」

「へ?」

「なんでもない お前が、元ブスだと知る奴は?」