春・紅茶・春

「暁さん☆」

突然、部屋とドアが開いてさっきの女の人が入ってきた。

私はビックリしすぎて、言葉も出ない。

「ごめんね。和成ね、今シャワーしてるの♪」

そう言いながら、お菓子と紅茶を私の前に並べた。

「え?シャワー?」

なぜ、シャワー?

「あっ!怪しい意味じゃないのよ?畑仕事してたから、泥だけなのよ☆」

畑仕事…。
そういえば、さっき会ったとき、泥の付いたTシャツを着てたな…。

「お茶でも飲みながら待っててね☆」

目の前のカップには、赤色の紅茶が揺れている。

私…紅茶は苦手なんだよなぁ。

「私が茶葉から煎れたの☆飲んでね☆」

キラキラとした目で私を見つめる…。

こ…断れない。

「い…頂きますぅ。」

1口…。

し…渋い!
そして、マズい!
美味しくない!

「どぉ?美味しい?」

「えっ…えぇっと。」

「人の部屋で、何してんだ。」

黒木くんが部屋に入ってきた。