春・紅茶・春

「あっ!あなたが暁さん?」

気がつくと、目の前に女の人が立っていた。

長い髪をキレイに巻いて、バッチリ化粧をしている。

うわぁ…きれ~。

「?暁さんだよね?」

ヤバい!ぽーってなってた!

「はい!暁琴子です!」

「和成から話聞いてるから♪ささっ☆こっちよ。」

…ん?和成…?
そういえば、黒木くんの下の名前って…和成だっけ?
正直、よく覚えてないけど…。


家の中は、外見の期待を裏切る事なく、昔ながらの日本の家を演出していた。

「ここで待っててね☆」

「は…はい。」

通されたのは、たぶん黒木くんの部屋だった。

とりあえず殺風景で、ベッドと机以外なにもない。

どんな形だろうと、男子の部屋に入ったのは初めてで、私は少し緊張していた。