『幸喜の所まで案内してください。』




「では、これに乗ってください。」




私の目の前に現れたのは籠だった。




これって…お偉い様が乗るやつじゃぁ…。




『歩いていきます。』




「歩いては入れません。」




入れませんって…何処に行く気よ!




「乗っていただけますね?」




この男は有無を言わさない口調で言った。




私はこれ以上言っても無駄だと思い、




黙って乗った。