「ここ。リビング~・・・、あ~。同じ間取りかっ」

「そうだねっ、お邪魔します」

「そんな、ためらわなくていいよ。家族、一人も居ないし」

森久保さん、緊張してんのかな?

かわいいなっ。

俺は、彼女をリビングの椅子に座らせ、紅茶を淹れた。

「紅茶、好き?」

「うんっ。大好きっ。いただきます」

ふ~と、紅茶に息を吹きかけ飲みだす彼女。

そんな、一つ一つの動作さえ愛おしい。

彼氏がいんのにな。

まぁ、別れたいんだろうけど。

「おいしい・・・、これ・・・」

「それ、カナダの」

「カナダ?!凄く、美味しいんだけどっ。わ~」