『ねぇ、ミチ。バレンタインどうする〜?』


『うーん、マナは?どうするの?』





季節はまだ冬の真っ只中。


それは2月のバレンタインデーの三日前だった。



マナとあたしは、ふとバレンタインの話になって。





『あいつらにあげる?』


『どうする?』


『私とミチがあげなきゃさ、あいつら貰えそうになくない?』


『うん、たしかにね』





あたし達がそんな会話をしながら見つめたその先には、



翔とナオとタクの三人がいて。



教室の片隅で固まってひとつの雑誌を見る三人の姿に、あたしとマナは目を合わせて呆れた顔をした。