『なぁ翔遅くね?』 『うん、遅いよなぁ』 『何してんだろ?翔。ミチ知らない?』 こんなに寒い冬の日も、学校が終わるといつものように河川敷に座り込むあたし達。 タクとナオとマナの声を聞いたあたしは、ゆっくりと夕焼け空を見上げてつぶやいた。 『知らなーい』 そして、桃井さんの照れ臭そうな顔を思い出して。 今頃体育館の前にいるであろう二人の姿を思い浮かべた。