『あのね、須藤くんに伝えてほしいんだけど…』
『え?何を?』
『あの…今日ね、放課後…体育館の前に来てほしいって…伝えてくれるかな?』
『放課後に、体育館?』
『うん……』
頬を赤くした桃井さんの顔を見てハッとなったあたしは、やっとその意味を理解していく。
『オッケー!翔に伝えとく!絶対行かせるからね』
『ほんとに?佐藤さんありがとう!』
そう言うと、桃井さんは照れ笑いを浮かべながら駆けていった。
桃井さん……
翔に告白でもするんだろうな。
なんとなく、さっきの表情を見ていたら、そんな気がした。



