恋色オレンジ〜夕焼け色の恋〜




そして、タクは―――



『俺は多分進学しない。っつーかいつかは家の電気屋継がなきゃいけないしさ、とりあえず卒業したら…いろいろ親父に教えてもらうつもり。うちエアコンの配管工事とかもやってるみたいで。高圧ガス扱うならなんか資格もいるみたいだし』



もう決まっている将来へ向かって、しっかりと未来を見据えていた。





知らなかった。


みんないつの間にか、ちゃんと将来設計を立てていて。



みんないつの間にか、それに向かって歩きだしていて。




だから、一人だけなんか取り残されたみたいに、出遅れたみたいに。



あたしは…切ない気持ちになった。