『あたしね、ぶっちゃけるとさ……翔に自分の気持ちなんて絶対言えないと思ってたし、本当は言うつもりもなかったの』
『なんで?』
『だってさ、フラれたら超気まずいし。ずっと友達として近くにいられたのに…気持ち伝えてダメだったらさ…翔のそばにいられなくなるかもしれないって、そう思うと怖かったんだ』
そしてあたしがそう言うと、翔はクスッと笑って。
『俺も同じこと思ってたよ』
と優しい声で言ってくれた。
『友達としてでもいいから…ミチのそばにいたかった。だから自分でも気付かないうちに好きっていう気持ちを抑えてたのかもしれないな…。その先に踏み込むのが怖くてさ』
翔はそう言ってふと空を見上げる。
『なんか近付きすぎちゃってたんだろうな、俺達』
『え?』
『このままでもいいかも、って思える位にさ、近くにいすぎたんだよ』
『確かに…そうだね』
そばにいられるならいいやって。
友達としてでも、
近くにいられるならいいやって。
そう思ってしまうぐらいに、近付きすぎていた。



