『そ……そっか。そうだよな』
そしたら翔がそう言って何も言わなくなったから。
『翔は?好きな人…いないの?』
あたしは静かになった空気の中で、思わずそんなことを聞いていた。
『いるよ……』
『え?』
『好きな奴はいる』
そして――――
翔はそう言うと、少しうつむきながら。
『お前だよ……。俺が好きなのは』
そう言って……
うつむいていた顔をゆっくりとあげると。
そのままあたしを、ジッと見つめた。
え?
お前だよ……って……
好きなのはって………
これはほんとだよね?
夢なんかじゃ…ないよね?
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