でもすぐに立ち止まると、
振り返ってあたしに言った。
『手の届くとこに翔がいるうちに…ちゃんと気持ち伝えなよ?』
『えっ?あぁ……うん…』
『今は近くにいられるから分からないかもしれないけど、気付いた時には…手の届かないとこまでいっちゃってることもあるんだから』
『うん……』
『とりあえずミチは素直になること!わかった?』
そう言うと、マナは
タクと一緒に先にログハウスへと戻っていった。
そして、
一人で残された遊歩道で。
マナの言葉を、繰り返し思い出した。
『気付いた時には…手の届かないとこまでいっちゃってることもあるんだから』
『素直になること!』
手の…届かないとこ…
素直に……か。



