『ねぇナオ!さっきよりも空が近くない?星が超いっぱい見えるよ!』
『なんかマジで手伸ばしたら掴めそうだよなぁ。もしかしたら流れ星も流れるんじゃね?』
『えっ?』
『マナ叶えたい願い事あるんだろ?だったらもし見つけたらソッコーで願えよ』
そう言って夜空を見上げたその時、マナがポツリとつぶやいた。
『流れても…願えないよ…』
『ん?なんて?』
『なんでもない』
『なんでもないってさ、今聞こえたぞ、何で願えないんだよ?』
でも、マナは何故か黙りこんでうつむいて。
俺達の間には静かな空気が流れた。
『願えるわけないじゃん……』
そして。
しばらく黙りこんでいたマナは。
小さな声で俺に言ったんだ。
『ナオが彼女じゃなくて……私のことを…見てくれますように、なんてさ……そんなの絶対…願っちゃダメでしょ?』
って。
瞳にうっすらと、涙を浮かべながら。



