恋色オレンジ〜夕焼け色の恋〜




『ねぇナオ!見て見て!変な虫がいるよー?ほらっ!』


『ちょっ!俺虫ムリ!つーか女のくせに素手で虫かよ、やっぱマナは強いよな』




見たこともないような不思議な虫を指先で掴んでいたマナ。


そしてそれをほらっ、と楽しそうに俺に見せてきたけど。




俺が笑いながらそう言葉を返したら、何故かマナの表情が一瞬曇ったような気がした。





『アハハッ!私はナオより強いからね!』



でもすぐにマナは笑ってそう言ったから。




『確かにお前には負けるな』



と、俺も笑って言ったんだ。