『ねぇ翔聞いてるー?』 『えっ?』 『だーかーらー、フランクフルト買ってくるけどいる?』 『あっ、あぁ、いる』 そして俺も。 たった今、この瞬間。 恋をしているのかもしれないと感じた。 『じゃあ行ってくるね!』 そう言って一人で… 夜店へと向かおうとする “ミチ”の後ろ姿を見つめながら。 『ちょっ!待てよ!俺も行くし!』 そして俺は… 歩いていくミチに駆け寄っていって。 下駄を履いているミチの歩幅に合わせて、ゆっくりと隣を歩いた。