そして翌日の花火大会当日――― 時間より少し早めに待ち合わせ場所に着いたあたしは、持っていたうちわでパタパタと顔を仰ぎながら気休めみたいに暑さを和らげて。 『でも暑ーい…』 小さな声で独り言を言いながら、フゥーっと深く息を吐いた。 『おい独り言かよ、ミチ』 『えっ?あぁ!翔』 そしたら後ろからいきなり声がして。 振り返ったら翔がいて。 『ビックリさせないでよぉ』 そう言ってあたしが笑うと、翔も… ゴメンゴメンと言いながら、笑ってた。