『ドキドキするー!』


『やばいね、マジで』





でも、そんなナオのことなんてお構いなしで、あたしとマナはすでに月9モードで。



翔とタクも、そんなあたし達に呆れた表情を浮かべながらも、一緒に並んでテレビの画面を見つめていた。





そしてドラマが始まると…


タクの部屋はシーンとした空気に包まれていって。




ちょっとした誤解からすれ違ってケンカ別れするドラマの中の二人に、切なく乙女心がキュッと痛くなった。





『切ないよー切なすぎる!』

『あれさぁ、何で追いかけないわけ?』

『だよね、追いかけて誤解だって説明すればいい話だよね』

『ほんと男ってバカっていうかさ』




そしてドラマを見終えたあたし達は、主人公の桜木役について、そんな酷評を始めた。