恋色オレンジ〜夕焼け色の恋〜




『ミチは今みたいに長い方が似合ってるって』




でも、後ろからいきなり聞こえてきたそんな声に思わずハッとなって。



後ろを振り返ってみると…


そこには翔がいて。



こっちをジッと見ながらなぜか不機嫌そうな顔で突っ立っていた。





『いやぁ、短いのも似合うっぽいじゃん?』



するとすぐに牧野が、翔に向かってそう問いかけた。




『いや、ミチは顔が丸いから短くしたら目立つだろ。だから今ぐらいがちょうどいいんだよ。なっ、ミチ?』




翔はそう言うと、何故かあたしのもとまで歩いてきて。


うん、と言わないあたしの腕を掴むと、そのまま教室の外へと引っ張っていった。






『ちょっと、翔?なに?いきなり』


『えっ?あぁ。つーかアイツ?』


『何が?』


『お前がイケメンとか言ってた奴だよ』




翔はそう言うと、廊下の窓を開けて。


何故か眉間にシワを寄せながら珍しく怒った口調であたしに聞いた。




イケメン…?